臨床眼科67巻3号

2013年03月発行

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集（1） 原著

強い眼症状により診断された月経前症候群の1例

著者： 橋本浩隆¹² 橋本昌典³ 橋本義正³ 筑田眞² 小原喜隆⁴

所属機関： ¹つくば橋本眼科 ²獨協医科大学越谷病院眼科 ³橋本産婦人科医院 ⁴社会福祉法人関記念栃の木会 老人保健施設みなと荘

ページ範囲：P.337 - P.340

要約　目的：強い眼症状の訴えにより眼科を受診し，月経前症候群（PMS）の診断に至った症例の報告。症例：34歳女性。約2年前からの冬季に限定した隔月で月経周期に伴って起こる右眼痛で受診した。20歳時に子宮外妊娠で片側卵管の摘出術を受けた既往と，受診後の検査で松果体囊腫の指摘がある。本症例は，鑑別診断およびPMS診断基準によってPMSと判断された。冬季および隔月に発症する原因としては，それぞれ松果体囊腫と卵管摘出の関与を推定した。結論：眼症状が著明なPMSがみられることがある。

参考文献

1）相良洋子：月経随伴症状に対する心身医学的対応．心身医学　49：1163-1170，2009

2）ACOG Practice Bulletin：Premenstrual syndrome. Int J Gynecol Obstet　73：183-191, 2001

3）橋本浩隆・筑田　眞・小原喜隆：起床時の眼瞼下垂により発見された硬膜動静脈瘻の1例．あたらしい眼科　25：1039-1042，2008

4）甲村弘子：OCによる月経関連症状の治療．婦人科治療　101：607-611，2010

5）Guyton AC, Hall JE：ガイトン生理学．原著第11版．1072．エルゼビア・ジャパン，東京，2010

6）村田高明・木村裕幸：月経前症候群と漢方．婦人科治療　103：467-471，2011

7）津野晃寿・楢原久司：性ホルモン製剤の疾患別選択．産婦人科の実際　59：13-20，2010