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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻3号

2013年03月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

網膜色素変性の暗順応検査と周辺部残存視野

著者: 明尾潔1 明尾庸子1 加藤帝子1

所属機関: 1あけお眼科医院

ページ範囲:P.345 - P.350

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要約 目的:暗順応が良好な網膜色素変性患者での視野を含む視機能の報告。対象:網膜色素変性の患者4例8眼を対象とした。すべて女性で,初診時年齢は15歳,34歳,44歳,66歳であり,それぞれ12年,4年,12年,6年にわたり経過を追った。初診時の視力は0.8~1.2の範囲にあった。視野はGoldmann視野計,暗順応はGoldmann-Weekers暗順応計で検査した。全症例でのsingle flash electroretinogramはsubnormalであり,暗順応検査の結果は正常とされる102~2×103の範囲にあった。結果:全症例で固視点から10°以内の中心視野が維持され,これより外方に島状の暗点があり,加齢に伴い周辺視野の欠損が進む傾向があった。結論:暗順応が良い網膜色素変性では,中心視野が保存され,経過が良好な症例がある。

参考文献

1)Akeo K, Saga M, Hiida Y et al:Progression of visual field loss in patients with retinitis pigmentosa of sporadic and autosomal recessive types. Ophthalmic Res 30:11-22, 1998
2)栗原秀行:暗順応機能が良好な網膜色素変性症について.眼紀 33:2446-2451,1982
3)坂口依理子:網膜色素変性症の経過と予後.日眼会誌 88:983-990,1984
4)Akeo K, Hiida Y, Saga M et al:Correlation between contrast sensitivity and visual acuity in retinitis pigmentosa patients. Ophthalmologica 216:185-191, 2002
5)永田 誠:網膜色素変性症における残存視機能と加算ERG所見との関係.臨眼 23:689-701,1969
6)明尾 潔・佐賀正道・小口芳久・他:長期経過観察の可能であった定型的網膜色素変性患者の視野とERG.臨眼 49:671-674,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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