臨床眼科67巻4号

2013年04月発行

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集（2） 原著

全国の眼科教授におけるロービジョンに対する意識の変遷（2011年）

著者： 鶴岡三惠子¹ 安藤伸朗² 永井春彦³ 川瀬和秀⁴ 西田朋美⁵ 仲泊聡⁵

所属機関： ¹井上眼科病院 ²済生会新潟第二病院眼科 ³北海道勤医協札幌病院眼科 ⁴岐阜大学大学院医学系研究科神経統御学講座眼科学分野 ⁵国立障害者リハビリテーションセンター病院眼科

ページ範囲：P.463 - P.467

要約　目的：眼科教授のロービジョン（low vision：以下，LV）ケアに対する意識変化の調査の報告。対象と方法：146人の眼科教授を対象に郵送による12項目のアンケート調査を行った。2008年に同様の調査をしており，2011年の結果とχ²検定で比較検討した。結果：63人（43％）から回答を得た。LVケアを行っている65％，LVへの関心がある88.5％，LVケアの教育指導は必要72％，紹介できるLV外来が近隣にある44％，であった。いずれも2008年と2011年の調査間に有意な差はなかった。結論：眼科教育機関附属病院のLVケア状況は，3年間で変化はないが，LVケアの教育や普及が困難な現状が示された。

参考文献

1）小田浩一：ロービジョンケアのこれまでとこれから．眼科プラクティス14（ロービジョンケアガイド）．15-18，文光堂，東京，2007

2）鶴岡三惠子・安藤伸朗・白木邦彦・他：全国の眼科教授におけるロービジョンに対する意識調査．眼臨紀　3：1250-1254，2010

3）酒井　隆：アンケート調査の進め方．67-74，日本経済新聞出版社，東京，2001

4）田淵昭雄・藤原篤史：全国大学医学部附属病院眼科におけるロービジョンクリニックの現状．日本ロービジョン学会誌　9：99-103，2009

5）簗島謙次：ロービジョンケアにおけるチームアプローチの重要性．眼紀　57：245-250，2006

6）川瀬芳克：視能訓練士の業務の拡大と視覚検査への参加意義．臨眼　58：1061-1063，2004

7）山縣祥隆・森　一成・和田眞由美・他：ロービジョンケアを紹介する兵庫県版スマートサイト「つばさ」の短期的効果について．日本ロービジョン学会誌　11：5-10，2012