文献詳細
連載 つけよう! 神経眼科力・38
文献概要
はじめに
麻痺性斜視や機械的眼球運動制限に伴う斜視では,数回にわたり手術を行っても複視の完全な消失は困難である。また,患者自身が手術を希望しない場合や偏位角(斜視角)が小さく手術適応とならないこともある。筆者らの施設ではこのような場合にプリズムを用いた光学的治療を試みている。麻痺性斜視に対する光学的治療に関しては,鈴木利根先生らが詳細な解説を神経眼科誌に掲載1)されており,参考にされたい。ここではプリズムでも,特にFresnel膜プリズム(以下,膜プリズム)の光学特性と,その処方のポイントについてまとめてみたい。
麻痺性斜視や機械的眼球運動制限に伴う斜視では,数回にわたり手術を行っても複視の完全な消失は困難である。また,患者自身が手術を希望しない場合や偏位角(斜視角)が小さく手術適応とならないこともある。筆者らの施設ではこのような場合にプリズムを用いた光学的治療を試みている。麻痺性斜視に対する光学的治療に関しては,鈴木利根先生らが詳細な解説を神経眼科誌に掲載1)されており,参考にされたい。ここではプリズムでも,特にFresnel膜プリズム(以下,膜プリズム)の光学特性と,その処方のポイントについてまとめてみたい。
参考文献
1)鈴木利根・杉谷邦子・相馬 睦・他:種々の部分遮蔽を併用した眼筋麻痺の光学的治療.神経眼科 29:270-275,2012
2)Woo GC, Campbell FW, Ing B:Effect of Fresnel prism dispersion on contrast sensitivity function. Ophthal Physiol Opt 6:415-418, 1986
3)川村隆之:レンズ特性とその選択について.視覚の科学 25:51-56,2004
4)高橋文男:眼鏡レンズの設計.視覚の科学 19:122-134,1999
5)Véronneau-Troutman S:Fresnel prisms and their effects on visual acuity and binocularity. Trans Am Ophthal Soc 76:610-653, 1978
6)内海 隆:膜プリズムの実践と基礎知識.眼臨紀 6:35-44,2013
掲載誌情報