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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻5号

2013年05月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

涙囊鼻腔吻合術鼻外法における涙管チューブ抜去後の菌検査

著者: 大野木淳二1

所属機関: 1おおのぎ眼科

ページ範囲:P.745 - P.748

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要約 目的:抜去した涙管チューブの菌検査を行い,涙囊鼻腔吻合術(DCR)鼻外法におけるチューブ管理について考察した。対象と方法:DCR鼻外法施行144名154例を対象に,抜去した涙管チューブの菌検査を行い,チューブ留置期間と菌の検出率について検討した。結果:菌の検出率は,チューブ留置期間が1か月以内で81%,2か月以内で79%および2か月以上で100%であった。また,最も多く検出された菌種は表皮ぶどう球菌50%であり,そのうち26%がレボフロキサシン耐性であった。続いて,真菌類14%,黄色ぶどう球菌12%,メチシリン耐性黄色ぶどう球菌11%などが検出された。結論:中鼻道に留置されたチューブからの菌検出率は比較的早期から高率なため,チューブ抜去は鼻腔側から行う方がよい。また,抜去直後に十分な涙道洗浄を行うことが大切である。

参考文献

1)栗橋克昭:涙囊鼻腔吻合術鼻外法.栗橋克昭:身につく 涙道疾患の診断と治療.88-99.金原出版,東京,2012
2)大野木淳二:涙囊鼻腔吻合術(DCR)鼻外法―十分な大きさの吻合孔(リノストミー)を維持するための工夫.栗橋克昭(編):涙囊鼻腔吻合術と眼瞼下垂症手術.87-91.メディカル葵出版,東京,2008
3)大野木淳二:涙管チューブ抜去後の菌検査.臨眼 65:451-455,2011
4)豊川真弘・浅利誠志:メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE).あたらしい眼科 24:461-463,2007
5)林 仁:抗菌剤の点眼薬自家調整法と注意点について教えてください.あたらしい眼科 17(臨増):44-45,2000
6)川島 崇:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の鼻腔内保菌者の検討.感染症学雑誌 66:686-695,1992
7)北澤耕司・外園千恵・稗田 牧・他:眼科医療従事者におけるMRSA保菌の検討.あたらしい眼科 28:689-692,2011
8)星 最智・大塚斎史・山本恭三・他:結膜囊と鼻前庭の常在細菌の比較.あたらしい眼科 28:1613-1617,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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