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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻5号

2013年05月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

糖尿病があり,片側外転神経麻痺で発症したくも膜下出血の1例

著者: 海老原紘子1 辻明2 鈴木崇弘1 河合憲司1

所属機関: 1東海大学医学部専門診療学系眼科学 2東海大学医学部付属大磯病院眼科

ページ範囲:P.771 - P.775

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要約 目的:外転神経麻痺を初発症状としたくも膜下出血の1例の報告。症例:56歳男性が前日からの複視で受診した。糖尿病があり,慢性腎不全で透析中であった。開放隅角緑内障で加療していた。所見:矯正視力は右0.4,左1.0で,左眼に外転制限があった。MRIで左橋の外側に占拠性病変があり,くも膜下出血が疑われた。病変は自然寛解し,6か月後に複視は消失した。結論:頭痛や意識障害を伴わず,外転神経麻痺を初発症状としてくも膜下出血が発症することがある。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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