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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻6号

2013年06月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

真菌性眼内炎に続発した脈絡膜新生血管に抗VEGF薬硝子体注射が奏効した1例

著者: 沈丙勝1 井上麻衣子1 山根真1 荒川明1 門之園一明1

所属機関: 1横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科

ページ範囲:P.911 - P.914

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要約 目的:真菌性眼内炎に続発した脈絡膜新生血管にラニビズマブの硝子体注射が奏効した症例報告。症例:55歳女性が右眼の視力低下で受診した。5か月前に潰瘍性大腸炎の手術を受け,その1か月後に中心静脈カテーテル留置によると推定される真菌血症が発症し,抗真菌薬が投与されていた。所見:矯正視力は右0.8,左1.2で,両眼に黄白色斑が散在していた。右眼黄斑部に網膜剝離を伴う脈絡膜新生血管があった。右眼にラニビズマブの硝子体注射を行い,その1か月後に網膜剝離と脈絡膜新生血管は退縮し,1.2の視力を得た。1年後の現在まで再発はない。結論:真菌性眼内炎に続発した脈絡膜新生血管にラニビズマブの硝子体注射が奏効した。

参考文献

1)宮野良子・竹田宗泰・古庄史枝・他:両眼の脈絡膜新生血管に対し硝子体手術を行った真菌性網脈絡膜炎の1例.臨眼 57:815-819,2003
2)宮木健一・小島麻由・木村英也・他:真菌性眼内炎に続発した脈絡膜新生血管の2例.眼紀 56:109-112,2005
3)Beebs WE, Kirkland C, Price J:A subretinal neovascular membrane as a complication of endogenous Candida endophthalmitis. Ann Ophthalmol 19:207-209, 1987
chorioretinitis. Am J Ophthalmol 121:643-649, 1996
5)石塚敦子・高瀬 博・窪野玲央・他:内因性真菌性眼内炎に続発した脈絡膜新生血管にbevacizumab硝子体注射が有効だった1例.眼臨紀 5:656-660,2012
6)Sheu SJ:Intravitreal ranibizumab for the treatment of choroidal neovascularization secondary to endogenous endophthalmitis. Kaohsiung J Med Sci 25:617-620, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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