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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻6号

2013年06月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

黄斑浮腫を伴う網膜静脈分枝閉塞症に対する白内障硝子体同時手術での眼軸長補正

著者: 長島弘明1 大曽根大典1 熊谷和之1 古川真理子1

所属機関: 1総合上飯田第一病院眼科

ページ範囲:P.971 - P.975

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要約 目的:黄斑浮腫がある眼に対する白内障硝子体同時手術で,超音波で測定した眼軸長を,中心窩厚を考慮して補正した結果の報告。目的:黄斑浮腫を伴う網膜静脈分枝閉塞症に対して白内障硝子体同時手術を行った47例47眼を対象とした。手術眼と僚眼の中心窩厚の差を浮腫厚として眼軸長を補正した。術後の屈折値を,常用されている他の2方法によるそれと比較した。結果:術後の屈折誤差の平均値と標準偏差は,Aモード:-0.83±0.75D,IOLマスター®:-0.12±0.65D,今回の補正法:-0.15±0.65Dであった。IOLマスター®と今回の補正法による結果には有意差がなかった。結論:黄斑浮腫がある眼に対する白内障硝子体同時手術では,中心窩厚を考慮して眼軸長値を補正し,眼内レンズの度数を決定する方法が有用である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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