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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻6号

2013年06月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

Vogt-小柳-原田病の病型と予後の検討

著者: 江川麻理子1 林勇樹1 三田村佳典1

所属機関: 1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部眼科学分野

ページ範囲:P.981 - P.984

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要約 目的:Vogt-小柳-原田病(原田病)の病型別の統計報告。対象と方法:過去3年間に初診として受診した原田病24例を対象とした。男性15例,女性9例で,年齢は26~69歳,平均45歳である。9か月以上の経過を追い,病型,夕焼け状眼底の程度,視機能を検討した。結果:後極部剝離型は16例,乳頭周囲浮腫型は8例にあり,平均年齢はそれぞれ37歳と62歳で,後者が有意に高齢であった。早期治癒は15例,遷延例が9例で,平均年齢はそれぞれ40歳と54歳で,後者が有意に高齢であった。夕焼け状眼底が中等度以上の症例では,58%が遷延化し,これが軽度な症例よりも脈絡膜が有意に菲薄化し(p=0.01),青色錐体感度視野が有意に低かった(p=0.006)。結論:炎症が遷延し,夕焼け状眼底の程度が強い原田病では,視機能障害が強い。

参考文献

1)田内芳仁・三村康男・藤田善史・他:原田病の遷延例に関する統計的観察.臨眼 43:129-132,1989
2)島 千春・春田恒史・西信良嗣・他:ステロイドパルス療法を行った原田病患者の治療成績の検討.あたらしい眼科 25:851-854,2008
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8)瀬尾晶子・岡島 修・平戸孝明・他:良好な経過をたどった原田病患者の視機能の検討-特に夕焼け状眼底との関係.臨眼 41:933-937,1987
9)北明大洲・寺山亜希子・南場研一・他:Vogt-小柳-原田病新生例に対するステロイド大量療法とパルス療法の比較.臨眼 58:369-372,2004
10)井上留美子・田口千香子・河原澄枝・他:15年間のVogt-小柳-原田病の検討.臨眼 65:1431-1434,2011
11)山田晴彦・平本裕盛・星野 健・他:原田病に対する治療法についての検討.臨眼 65:1299-1304,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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