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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻6号

2013年06月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

高齢者の細菌性結膜炎における臨床分離菌と薬剤感受性

著者: 太根伸浩12 北川清隆1 勝本武志1 藤原悦子1

所属機関: 1松江赤十字病院眼科 2出雲市医療センター眼科

ページ範囲:P.991 - P.996

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要約 目的:高齢者の細菌性結膜炎から分離された病原体,治療期間,薬剤感受性と耐性化についての報告。対象と方法:2011年までの41か月間に細菌性結膜炎と診断され,24週間以上の経過を追えた60歳以上の105例160眼を対象とした。結果:計151株の細菌が分離された。メチシリン耐性の表皮ブドウ球菌と黄色ブドウ球菌には,クロラムフェニコールとバンコマイシンが有効で,キノロン系で初期治療を受けていた症例では耐性化と混合感染が多かった。このような場合でも,テトラサイクリンが比較的有効であった。全体にクロラムフェニコール,セフメノキシム,バンコマイシンへの感受性が高く,レボフロキサシンには低かった。結論:高齢者の細菌性結膜炎には,セフメノキシムとクロラムフェニコールが第1選択である。

参考文献

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11)井上幸次:眼科感染症.治療 90:2889-2892,2008
12)Carpenter G:Chloramphenicol eye-drops and marrow aplasia. Lancet(letter) 16:326-327, 1975
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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