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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻7号

2013年07月発行

文献概要

連載 眼科図譜・362

水晶体融解緑内障を続発したモルガニ白内障の1例

著者: 西野和明1 吉田富士子1 新田朱里1 齋藤三恵子1 齋藤一宇1

所属機関: 1回明堂眼科・歯科

ページ範囲:P.1078 - P.1081

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緒 言

 モルガニ白内障(Morgagnian cataract)とは過熟白内障の皮質が液化し,茶褐色の核が水晶体下方に沈下している状態である1)。なかには水晶体囊が自然破囊を起こし水晶体物質が前房に漏出し,それらが線維柱帯に沈着して眼圧が上昇することは古くから知られていた2)。その後そのような病態を水晶体融解緑内障(phacolytic glaucoma)と呼ぶようになった3)。わが国においても同様の報告はあるが,多くはない4)。今回筆者らは定時手術を予定していたモルガニ白内障の患者が,急に眼痛を伴う水晶体融解緑内障を続発したため,臨時の白内障手術に切り替えた症例を経験したので報告する。

参考文献

1)Bron AJ, Habgood JO:Morgagnian cataract. Trans Ophthalmol Soc UK 96:265-277, 1976
2)Knap A:Observations on glaucoma in Morgagnian cataract. Trans Am Ophthalmol Soc 24:84-92, 1926
3)Flocks M, Littwin CS, Zimmerman LE:Phacolytic glaucoma:a clinicopathologic study of one hundred thirty-eight cases of glaucoma associated with hypermature cataract. Arch Ophthalmol 54:37-45, 1955
4)小川剛史・西内貴子:モルガニ白内障に合併した水晶体融解緑内障の1例.あたらしい眼科 7:1067-1071,1990
5)Rosenbaum JT, Samples JR, Seymour B et al:Chemotactic activity of lens proteins and the pathogenesis of phacolytic glaucoma. Arch Ophthalmol 105:1582-1584, 1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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