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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻7号

2013年07月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

急性散在性脳脊髄炎後に発症した小児視神経炎の1例

著者: 権田恭広1 岡部智子1 鈴木佑佳1 松本直1 杤久保哲男1

所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院眼科学講座

ページ範囲:P.1177 - P.1180

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要約 目的:急性散在性脳脊髄炎後に視神経炎を呈した4歳児の症例報告。症例:4歳女児が左眼の視力低下で受診した。4か月前に急性散在性脳脊髄炎に罹患していた。所見と経過:視力は右1.0,左0.1であった。視神経乳頭の腫脹はなかった。MRIで左視神経に脱髄性病変を認めた。左視神経炎と診断し,ステロイドパルス療法を施行し,視力は左1.0に改善した。結論:急性散在性脳脊髄炎後に視神経炎を呈した症例であり,小児多発性硬化症への移行の可能性を考慮して長期の経過観察が必要と考えられた。

参考文献

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2)楠原仙太郎:小児視神経疾患.あたらしい眼科 19:1279-1283,2002
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9)Tenembaum S, Chitnis T, Ness J et al:Acute disseminated encephalomyelitis. Neurology 68:S23-S36, 2007
10)佐久間啓:小児の多発性硬化症(MS)診療.山村隆(編):多発性硬化症(MS)診療のすべて.119-125,診断と治療社,東京,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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