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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻7号

2013年07月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

栗のイガによる遅発性真菌性角膜潰瘍の1例

著者: 西川(林)良子1 小林武史1 西智1 丸岡真治1 山岸直矢2 松浦豊明1 緒方奈保子1

所属機関: 1奈良県立医科大学眼科学教室 2山岸眼科医院

ページ範囲:P.1187 - P.1189

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要約 目的:栗のイガによる受傷の真菌性角膜潰瘍が発症した症例の報告。症例:72歳男性が栗拾いに行き,左眼角膜に栗のイガが刺入した。近医でイガの摘出を受け,症状が改善した。3か月後に左眼視力が低下し,その2週後に受診した。所見:矯正視力は右1.0,左0.6で,左眼角膜に浮腫と混濁,前房に炎症の所見,虹彩にルベオーシスがあった。前房水のPCR検査でAspergillus属が検出され,アムホテリシンBを全身投与した。2週後に角膜潰瘍は上皮化し,炎症所見は消失した。以後10か月後の現在まで再発はない。結論:角膜に異物が刺入したのち,遅発性角膜潰瘍が発症することがある。診断にはPCR検査が有効であった。

参考文献

1)越智順子・渡邊一郎・桐生純一・他:栗のイガによる角膜外傷の1例.臨眼 65:1075-1078,2011
2)越智亮介・清水一弘・山上高生・他:栗のイガに刺入による角膜穿孔の2例.臨眼 59:449-452,2005
3)隈上武志・高木 茂・伊藤久太朗・他:栗のイガによる角膜外傷の3例.臨眼 87:992-995,1993
4)宇治幸隆・小林雄二:栗毬による眼外傷.日本の眼科 57:1263-1265,1986
5)鈴木 崇・宇野敏彦・宇田高広・他:糸状菌による角膜真菌症における病型予後の検討.臨眼 58:2153-2157,2004
6)宇野敏彦・鈴木 崇・宮本仁志:真菌の発育条件で角膜真菌症の病型が決まる? Med Technol 38:580-581,2010
7)奥田聡哉・松本光希・宮嶋聖也・他:熊本大学に眼科における角膜真菌症症例の検討.あたらしい眼科 16:959-962,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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