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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科67巻9号

2013年09月発行

文献概要

特集 第66回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

白内障併用全周線維柱帯切開術の術後短期成績

著者: 中平麻美1 松下恵理子1 小松務1 福田憲1 福島敦樹1

所属機関: 1高知大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.1495 - P.1499

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要約 目的:白内障手術と併用した全周線維柱帯切開術の短期成績の報告。対象と方法:白内障手術と360°線維柱帯切開術を同時に行った20例26眼を対象とした。男性15眼,女性11眼で,平均年齢は73歳である。緑内障の病型は,落屑緑内障12眼,原発開放隅角緑内障10眼,慢性閉塞緑内障4眼である。術後9か月以上の経過を観察し,眼圧と投薬スコアを評価した。結果:全症例での平均眼圧は,術前17.8±4.9mmHg,9か月後12.0±3.1mmHgで,有意に眼圧が下降した。全症例での投薬スコアは術前の2.8±1.1点から術後0.9±0.7点に有意に下降した。術中または術後に重篤な合併症はなかった。眼圧下降と投薬スコアの減少は,落屑緑内障と原発開放隅角緑内障で有意であった。結論:白内障手術と併用した全周線維柱帯切開術は安全な術式であり,落屑緑内障と原発開放隅角緑内障に有効であった。

参考文献

1)三木貴子・松下恭子・内藤知子・他:シヌソトミー併用線維柱帯切開術の長期術後成績.臨眼 64:1691-1695,2010
2)衛藤崇彦・八塚秀人・石井陽子・他:トラべクロトミーとトラべクロトミー・白内障同時手術との術後成績の比較検討.臨眼 53:593-596,1999
3)本庄 恵・谷原秀信・谷口朋子・他:トラべクロトミーと白内障同時手術の術後成績.臨眼 50:281-285,1996
4)Chin S, Nitta T, Shinmei Y et al:Reduction of intraocular pressure using a modified 360-degree suture trabeculotomy technique in primary and secondary open-angle glaucoma:a pilot study. J Glaucoma 21:401-407, 2012
5)Smith RA:New technique for opening the canal of Schlemn:preliminary report. Br J Ophthalmol 44:370-373, 1960
6)Burian HM:A case of Marfan's syndrome with bilateral glaucoma:with description of a new type of operation for developmental glaucoma(trabeculotomy ab externo). Am J Ophthalmol 50:1187-1192, 1960
7)Beck AD, Lynch MG:360 degrees trabeculotomy for primary congenital glaucoma. Arch Ophthalmol 113:1200-1202, 1995
8)後藤恭孝・黒田真一郎・永田 誠:全周線維柱帯切開術の短期成績.眼科手術 22:101-105,2009
9)松原 孝・寺内博夫・黒田真一郎・他:サイヌソトミー併用トラべクロトミーと同一創白内障同時手術の長期成績.あたらしい眼科 19:761-765,2002
10)森村浩之・伊藤 暁・高野豊久・他:閉塞隅角緑内障に対する線維柱帯切開術+超音波乳化吸引水晶体再建術の効果.あたらしい眼科 26:957-960,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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