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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻10号

2014年10月発行

文献概要

特集 第67回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

乳頭ピット黄斑症候群の術後黄斑円孔が長期経過で閉鎖した1例

著者: 岡本直記1 渡邊一郎1 水川憲一1 桐生純一1

所属機関: 1川崎医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1473 - P.1476

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要約 目的:乳頭ピット黄斑症候群に対する硝子体手術後に生じた黄斑円孔が,長期経過で閉鎖した症例の報告。症例:58歳,女性。前医で左眼黄斑部網膜剝離と診断され紹介受診した。初診時視力は左(0.4)。光干渉断層像にて黄斑部網膜分離,網膜剝離,外層円孔を認めた。硝子体手術を施行し,乳頭ピット黄斑症候群と確定した。内境界膜剝離と20%六フッ化硫黄(SF6)ガスタンポナーデを施行した。術後4か月で全層黄斑円孔(MH)となり,再度SF6タンポナーデを行い,再手術後10か月で閉鎖が得られた。結論:ピット黄斑症候群に伴うMHは網膜下液の減少に伴い閉鎖が得られる可能性がある。

参考文献

1)河西雅之・浪川雄一・内海 通・他:硝子体手術を行った高齢者のPit-macular syndromeの1例.眼臨紀 5:599-602,2012
2)鈴木美砂・門之園一明・鈴木香代子・他:Pit macular症候群に伴う黄斑部漿液性網膜離の光干渉断層計および術中所見.臨眼 60:1591-1594,2006
3)Hirakata A, Inoue M, Hiraoka T et al:A vitrectomy without laser treatment or gas tamponade for macular detachment associated with an optic disc pit. Ophthalmology 119:810-818, 2012
4)濱島 紅・森 秀夫:OCTで診断され硝子体手術が有効であった視神経乳頭小窩黄斑症候群の1例.臨眼 62:969-972,2008
5)鹿嶋春香・大串元一・岸 章治・他:Pit-macular症候群に対する硝子体手術後の復位過程.臨眼 58:569-573,2004
6)大野晋治・吉田晃敏・高橋淳士:ピット黄斑症候群の硝子体手術後に生じた黄斑円孔が閉鎖した1例.臨眼 65:1099-1103,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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