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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻10号

2014年10月発行

文献概要

やさしい目で きびしい目で・178

「医者ログ」はなぜできないのか?

著者: 石岡みさき1

所属機関: 1みさき眼科クリニック

ページ範囲:P.1487 - P.1487

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 食べログをチェックしたことのない人,というのはこの時代少ないと思います。よく知り合いから「医者ログがあれば便利よねえ。」といわれますが,医療機関検索サイトで患者さんからのコメントがにぎやかというところはあまり見かけません。考えてみれば当たり前ですよね。食べログは名物レビュアーがいることからもわかるように,よりたくさん食べている人のコメントに価値があります。それぞれ得意分野もあるし,この人が好きなところなら美味しいだろう,という使い方もします。しかし,ラーメン屋200軒制覇! という個人がいても不思議ではありませんが,ひとりで眼科200軒受診! というのはありえません。やろうと思えばできるかもしれませんが,同じ条件=症状で受診は無理でしょう。眼科ではコンタクトレンズユーザーの定期検診くらいでしょうか? これも半年ごとの受診だとせいぜい100軒くらいにとどまり,何年もかかってしまうのでタイムリーな情報提供になりません。内科で定期検査に通院していても,毎回異なる医療機関に行く,というのはないでしょう。数軒の医療機関受診経験でコメントする,というレビュアーばかりでは活用できる「医者ログ」にはならないのです。

 そして,診療内容に対するコメントは具体的であればあるほどほかの患者さんの役立つ情報ですが,これは匿名で書いても医療機関側にはどの患者さんなのかわかってしまいます。当院も匿名ブログにクレームを書かれたことがありますが,どの患者さんかすぐわかりました。医療機関を受診する理由として「近い」というポイントは大事なので,感じの悪いクリニックであっても救急受診する可能性を考えるとなかなかネガティブコメントは書きにくくなるでしょう。ポジティブコメントもありますが,どうも「ステマ」の匂いがします。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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