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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻10号

2014年10月発行

文献概要

臨床報告

トスフロキサシントシル酸塩水和物点眼液の有効性・安全性および低頻度分離株に対する有効性の確認

著者: 西田輝夫1 宮永嘉隆2 大野重昭3

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科眼科学教室 2西葛西・井上眼科病院 3愛心メモリアル病院

ページ範囲:P.1509 - P.1519

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要約 目的:トスフロキサシントシル酸塩水和物0.3%点眼液の臨床の場における有効性と安全性の確認および承認時に分離されなかった適応菌種に対する有効性の調査。対象:2006年10月〜2009年9月に本剤が投与された0〜101歳の1,269例を対象とした。結果:担当医師判定による有効率は96.1%(1,065/1,108例),評価基準判定に基づく改善率は83.1%(590/710例),細菌学的効果は84.1%(380/452株)であり,調査した3年にわたり良好な臨床効果を維持していた。副作用発現率は0.4%(5/1,249例)であり,重篤例はなかった。また,承認時に分離されなかった腸球菌属,クレブシエラ属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,ヘモフィルス・エジプチウスに対する有効性を確認した。結論:臨床の場においてトスフロキサシン点眼液の高い臨床的有用性を確認できた。

参考文献

1)神山朋子・杉浦陽子・久田晴美・他:新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の薬効評価(1)—細菌学的評価.あたらしい眼科 23:3-11,2006
2)北野周作・宮永嘉隆・大野重昭・他:新規ニューキノロン系点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の細菌性外眼部感染症を対象とするオープン試験.あたらしい眼科 23:68-80,2006
3)北野周作・宮永嘉隆・大野重昭・他:ニューキノロン系抗菌点眼液TN-3262a(0.3%トシル酸トスフロキサシン点眼液)の細菌性結膜炎を対象としたレボフロキサシンとの二重遮蔽比較他施設共同試験.あたらしい眼科 23:95-110,2006
4)北野周作・宮永嘉隆・大野重昭・他:新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の小児の細菌性外眼部感染症を対象とする非対照非遮蔽他施設共同試験.あたらしい眼科 23:118-129,2006
5)宮永嘉隆・西田輝夫・大野重昭:汎用性点眼抗菌薬の小児における臨床評価基準.あたらしい眼科 29:425-429,2012
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7)北野周作・宮永嘉隆・大野重昭・他:新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の小児細菌性結膜炎患者に対する有効性の成人細菌性結膜炎との比較検討.あたらしい眼科 23:130-140,2006
8)秦野 寛:慢性涙囊炎の臨床.あたらしい眼科 17:203-205,2000
9)宮永嘉隆・東 範行・大野重昭:新生児の外眼部細菌感染症に対するトスフロキサシントシル酸塩水和物点眼液の有効性と安全性の検討.臨眼 65:1043-1049,2011
10)金子行子・内田幸男・北野周作・他:塩酸ロメフロキサシン点眼液の市販後特別調査(第1回)成績.あたらしい眼科 17:241-249,2000
点眼液0.5%)の使用成績調査.臨眼 62:2007-2017,2008
12)神田裕子・黒坂勇一・藤川香津子・他:Sitafloxacinの細菌学的評価.日本化学療法学会雑誌 56(S-1):1-17,2008
13)藤村享滋・吉田 勇・山野佳則:一次医療機関由来臨床分離株の経口抗菌薬に対する薬剤感受性.Jpn J Antibiot 60:17-30,2007
14)遠藤 睦・荒川義弘:点眼液の適正使用.医薬ジャーナル 36:2859-2864,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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