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文献概要
増刊号 ターゲット別! 画像診断お助けガイド—基本画像から最新モダリティまで Ⅰ 部位別 頭蓋内
眼動脈・内頸動脈・脳循環
著者: 喜田照代1
所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.217 - P.222
文献購入ページに移動◎超音波カラードプラ法(CDI)やフルオレセイン蛍光眼底造影(FA)およびMRAなどの検査は,眼虚血症候群,糖尿病網膜症や網膜動脈閉塞症,網膜中心静脈閉塞症などの網膜微小循環障害,緑内障性視神経障害,前部虚血性視神経症,といった病態の解明に非常に有効である。
◎虹彩や隅角の新生血管の有無,眼圧測定値の左右差に注意する。また,散瞳して糖尿病網膜症の眼底所見に左右差がみられた場合,内頸動脈や眼動脈の高度狭窄あるいは閉塞,眼虚血症候群の可能性を考慮する。
◎一過性黒内障,視力の動揺など問診し,先に挙げた検査の結果によっては必要に応じて脳神経外科や循環器内科をコンサルトする。網膜光凝固や緑内障手術などの眼科的治療だけでは奏効せず,脳外科的治療を要することがある。
◎レーザースペックル法(LSFG)が非侵襲的で診断に有用である可能性がある。
◎虹彩や隅角の新生血管の有無,眼圧測定値の左右差に注意する。また,散瞳して糖尿病網膜症の眼底所見に左右差がみられた場合,内頸動脈や眼動脈の高度狭窄あるいは閉塞,眼虚血症候群の可能性を考慮する。
◎一過性黒内障,視力の動揺など問診し,先に挙げた検査の結果によっては必要に応じて脳神経外科や循環器内科をコンサルトする。網膜光凝固や緑内障手術などの眼科的治療だけでは奏効せず,脳外科的治療を要することがある。
◎レーザースペックル法(LSFG)が非侵襲的で診断に有用である可能性がある。
参考文献
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2)喜田照代・中島正之・吉原正晴・他:内頸動脈閉塞により血管新生緑内障を続発したと考えられる糖尿病の一例.眼紀 53:739-742,2002
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4)Maruyoshi H, Kojima S, Kojima S et al:Waveform of ophthalmic artery Doppler flow predicts the severity of systemic atherosclerosis. Circ J 74:1251-1256, 2010
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9)南波孝昌・吉田研二・小林正和・他:網膜虚血により視力の急性増悪を呈した内頸動脈慢性閉塞症に対して血行再建術を施行した1例.脳卒中の外科 41:368-372,2013
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