文献詳細
文献概要
増刊号 ターゲット別! 画像診断お助けガイド—基本画像から最新モダリティまで Ⅱ タイミング別 外傷時
眼窩内異物
著者: 笠井健一郎1 嘉鳥信忠1
所属機関: 1聖隷浜松病院眼形成眼窩外科
ページ範囲:P.235 - P.241
文献購入ページに移動◎外傷性眼窩内鉄片異物は,感染症はまれであり,無症状の期間が長いことがある。CTでは,鉄片はmetal densityに描出され,アーチファクトが生じる。MRIは禁忌である。
◎外傷性眼窩内異物のうち植物性物質は感染の危険性が高く,創が化膿したり,肉芽反応を起こし,慢性炎症性肉芽腫を形成しやすい。CTでは,時期によっては異物のCT値が周囲肉芽組織などと等吸収域となる時期があると推測され,また異物の種類によっては描出されないものもあるので注意を要する。MRIでは,T1強調画像で木片は脂肪より低信号に描出される。T1強調画像は水分の影響が少ないのでCTのようなdensityの経時的変化もなく,受傷早期より木片そのものが描出されるため局在診断上非常に有用である。
参考文献
掲載誌情報