臨床眼科68巻11号

2014年10月発行

増刊号 ターゲット別！ 画像診断お助けガイド—基本画像から最新モダリティまで Ⅱ　タイミング別 外傷時

眼球破裂

著者： 松井麻紀¹ 太田俊彦¹

所属機関： ¹順天堂大学医学部附属静岡病院眼科

ページ範囲：P.242 - P.246

◎眼球破裂はきわめて強い鈍的外力により眼球壁を損傷し，結膜下出血，前房出血，硝子体出血，網膜剝離，脈絡膜下出血などを伴う。

◎眼球破裂に対する画像検査として超音波検査とCT検査が主に用いられる。

◎超音波検査とCT検査は簡便，迅速に施行可能であり，眼球壁の形状や硝子体出血，網膜剝離，脈絡膜下出血の有無も診断可能である。

◎眼球破裂は前房出血，硝子体出血により眼内観察困難例や結膜下出血で強膜裂傷部位不明例が多く，画像検査の果たす役割は大きい。

参考文献

1）Kuhn F, Morris R, Witherspoon CD et al：A standard classification of ocular trauma. Ophthalmology　103：240-243, 1996

2）相馬利香，森田啓文，久保田敏昭・他：高齢者における鈍的眼外傷の検討．臨眼　63：93-97，2009

3）由良善子：自動車セーフティエアバッグによる眼球破裂の1例．臨眼　91：974，1997

4）浅見　哲，寺崎浩子：開放性眼外傷（1）　分類と病態．臨眼　62：450-455，2008

5）浅見　哲，寺崎浩子：開放性眼外傷（4）　眼球破裂，強角膜穿孔の1次縫合．臨眼　62：1054-1059，2008

6）大島佑介：超音波検査．眼科診療プラクティス編集委員（編）：眼科検査ガイド．560-564，文光堂，東京，2004

7）三根　茂，木村由香子：鈍的外傷による眼球破裂およびその超音波検査の有用性について．臨眼　40：677-680，1986

8）太根節直：超音波検査．猪俣　孟，玉井　信，本田孔士（編）：眼科学大系[1]眼科診断学・眼機能，158-174，中山書店，東京，1995

9）清澤源弘，堀江長春：X線，CT，MRI．眼科診療プラクティス編集委員（編）：眼科検査ガイド．728-737，文光堂，東京，2004

10）谷為恵三，曽根隆志，木内良明，他：知っておきたい眼部CT所見．臨床放射線　58：1293-1310，2013

11）中尾雄三：CT．猪俣　孟，玉井　信，本田孔士（編）：眼科学大系[1]眼科診断学・眼機能，141-148，中山書店，東京，1995