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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻12号

2014年11月発行

文献概要

臨床報告

化膿性脊椎炎が感染巣と考えられた内因性細菌性眼内炎の1例

著者: 奥田吉隆1 小林崇俊1 庄田裕美1 岡本貴子1 丸山耕一12 高井七重1 多田玲13 竹田清子1 池田恒彦1 馬場一郎4 根尾昌志4

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室 2川添丸山眼科 3多田眼科 4大阪医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1609 - P.1614

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要約 目的:化膿性脊椎炎が感染巣と考えられた内因性細菌性眼内炎の1例の報告。症例:68歳男性が右眼視力低下で受診した。所見:その約1週間前から発熱,腰痛が出現した。近医にてCRP高値が判明していた。右眼は強い硝子体混濁のために眼底は透見不能であった。網膜剝離を疑い手術を行った。内因性細菌性眼内炎と診断したが,その時点で感染巣は不明であった。術後に再度熱発したため,ガリウムシンチグラフィとMRI検査を施行した。腰部の化膿性脊椎炎が疑われ,整形外科を受診した。腰部膿瘍と血液中から黄色ブドウ球菌が検出され,化膿性脊椎炎による内因性細菌性眼内炎と診断された。結論:ガリウムシンチグラフィとMRIが診断に有用であった。

参考文献

1)藤関義人・高橋寛二・山田晴彦・他:過去5年間の内因性細菌性眼内炎の検討.臨眼 56:447-450,2002
2)後藤 浩:転移性細菌性眼内炎の診療における注意点は? あたらしい眼科 26(臨増):97-99,2010
3)高相晶士・上野正喜:化膿性脊椎炎.J Spine Res 1:174-181,2010
4)児玉桂一・島田 朗・清水隆之・他:肺炎球菌による敗血症を来たし化膿性脊椎炎・化膿性膝関節炎・細菌性眼内炎を合併した糖尿病の1例.糖尿病 44:235-240,2001
5)金山祐子・近藤貴昭・佐々木洋光:化膿性脊椎炎,腸腰筋膿瘍,腰部硬膜外膿瘍,細菌性眼内炎を合併した糖尿病の1例.新薬と臨牀 55:492-497,2006
による敗血症の1例.感染症学雑誌 64:620-623,1990
7)吉松弘喜・西田俊晴・吉田健治・他:化膿性脊椎炎の診断に至る経過について.整形外科と災害外科 56:661-663,2007
8)御前 隆・松井 章・田中富美子・他:不明熱の原因病巣検索における67Gaシンチグラフィの有用性の再検討.日本医学放射線学会雑誌 50:655-660,1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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