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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻2号

2014年02月発行

文献概要

今月の表紙

逆転現象

著者: 反保宏信1 坂本泰二2

所属機関: 1自治医科大学眼科学講座 2鹿児島大学

ページ範囲:P.186 - P.186

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 症例は54歳,女性。1週間前に「右眼に見えない部分がある」と近医を受診,その後増悪したため当科紹介となった。初診時の視力は右(0.9),左(1.2)で,眼圧は右13mmHg,左17mmHgであった。両眼の眼底に1/5~1/2乳頭径大の白斑を伴う網脈絡膜炎を認めた。フルオレセイン蛍光造影(fluorescein angiography:以下,FA)では初期に斑状低蛍光を呈したが,後期には斑状過蛍光を呈した。インドシアニングリーン蛍光造影(indocyanine green angiography:IA)では初期にFAよりも明瞭に斑状低蛍光を観察することができ,後期ではFAよりも広範囲でより多数の斑状低蛍光が確認された。FAの逆転現象から急性後部多発性小板状網膜色素上皮症(acute posterior multifocal placoid pigment epitheliopathy:APMPPE)と診断された。3か月後には眼底の白斑は消失し,視力も両眼(1.2)となった。

 撮影にはHeidelberg社のHRA2を用い,初期と後期の部位がずれないよう留意した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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