icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻2号

2014年02月発行

文献概要

臨床報告

外斜視術後周期性内斜視の1例

著者: 岩佐真紀1 村木早苗1 東山智明1 西田保裕1 大路正人1

所属機関: 1滋賀医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.207 - P.211

文献購入ページに移動
要約 目的:外斜視に対する手術後に生じた周期性内斜視の1症例の報告。症例:4歳11か月の女児に2年前から眼位異常があった。間欠性外斜視として紹介受診した。視力は左右眼とも1.5で,プリズムカバーテストで近見-35Δ,遠見-30Δの間欠性外斜視があった。左眼の内直筋5mmの短縮と外直筋5mmの後転を行った。術後1か月に遠見+4Δの内斜視と左眼外転不全が生じ,術後6か月で遠見+14Δの内斜視となり,左眼の外転不全があった。正位と内斜視の眼位が交互に出現することから,周期性内斜視と診断した。内斜視が次第に優位となり,初回の手術から8か月後に左眼の外直筋を本来の付着部に戻した。以後は良好な眼位になり,周期性は消失した。結論:間欠性外斜視に対して手術を行い,過矯正になり,外転不全が残存した症例に周期性内斜視としての再手術を行い,好結果を得た。

参考文献

1)Helveston EM:Cyclic strabismus. Am Orthopt J 23:48-51, 1973
2)Muchnick RS, Sanfilippo S, Dunlap EA:Cyclic esotropia developing after strabismus surgery. Arch Ophthalmol 94:459-460, 1976
3)Uemura Y, Tomita M, Tanaka Y:Consecutive cyclic esotropia. J Pediat Ophthalmol 14:278-280, 1977
4)宮島弘子・明尾 潔・神園純一・他:Consecutive cyclic esotropiaの3症例.臨眼 39:795-799,1985
5)利光龍司・瀧畑能子・堀尾和弘・他:周期性内斜視の2症例.眼臨 100:129-132,2006
6)曹 圭徹・平石剛宏・増子 徹・他:間欠性外斜視術後の周期内斜視の1例.眼臨医 4:1169-1171,2011
7)松坂有紀・田中尚子:斜視手術後に周期性内斜視になった1例.日眼紀 44:310-312,1993
8)大平明彦・武井 歩:続発性周期性内斜視の周期について.眼臨 92:848-851,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?