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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻2号

2014年02月発行

文献概要

臨床報告

原発開放隅角緑内障患者に対する0.03%ビマトプロスト切り替えによる眼圧下降効果と安全性の検討

著者: 仲昌彦12 山本麻梨亜13 金学海14 横山千秋15 石島漢1 北市伸義13 大口剛司1 新田卓也16 新明康弘1 陳進輝1 石田晋1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科眼科学分野 2滝川市立病院眼科 3北海道医療大学眼科 4北海道医療センター眼科 5時計台記念病院眼科 6KKR札幌医療センター眼科

ページ範囲:P.219 - P.224

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要約 目的:プロスタグランジン関連薬をビマトプロストへ変更した際の眼圧下降効果と安全性の報告。対象と方法:開放隅角緑内障患者33例57眼を対象とした。男性27眼,女性30眼で,平均年齢は67歳である。全例が,プロスタグランジン関連薬およびβ遮断薬を含む2種類以上の点眼薬で加療中であった。点眼を0.03%ビマトプロストに変更し,1か月と3か月に眼圧と副作用を評価した。結果:平均眼圧は,変更前15.1±3.5mmHg,1か月後14.2±2.8mmHg,3か月後14.0±2.9mmHgであり,変更後いずれも有意に低下した(p<0.01)。変更前の眼圧が15mmHg以上の症例のみで有意な眼圧低下があった(p<0.01)。有意な眼圧下降は,変更前にラタノプロストまたはタフルプロストを点眼中の症例のみにあった(p<0.01)。43例中8例(19%)に結膜充血が生じた。結論:他剤で点眼加療中の開放隅角緑内障に対し,ビマトプロスト点眼に切り替えた結果,1か月と3か月後に有意な眼圧下降が得られた。結膜充血が主な副作用であった。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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