icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻4号

2014年04月発行

文献概要

特集 第67回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

コンタクトレンズ起因性の角膜潰瘍症例で検出された菌種における薬剤耐性の検証

著者: 松原倫子1 小出良平1 木崎順一郎1 安田健作1 吉田健也1 高橋春男1

所属機関: 1昭和大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.451 - P.456

文献購入ページに移動
要約 目的:コンタクトレンズ装用者に発症した角膜潰瘍での,緑膿菌に対する薬剤耐性の報告。対象と方法:過去10年間に治療したコンタクトレンズ装用者の角膜潰瘍は,89例94眼である。うち49例53眼では緑膿菌が分離された。これに対するレボフロキサシン,ゲンタマイシン,トブラマイシンに対する感受性を検索した。症例の年齢は,15~69歳,平均32歳であった。結果:レボフロキサシンに対しては,49例中4例(8%)に感受性がなく,6例(12%)に耐性があった。ゲンタマイシンに対しては,2例(4%)に感受性がなく,15例(31%)に耐性があった。トブラマイシンに対しては,10例(20%)に耐性があった。結論:緑膿菌による角膜潰瘍では,キノロン系またはアミノグリコシド系の抗菌薬に対する低感受性や耐性が発見された時点で,治療薬剤の再検討が必要である。

参考文献

1)竹沢美貴子・小幡博人・中野佳希・他:自治医科大学における過去5年間の感染性角膜潰瘍の検討.日眼紀 56:494-497,2005
2)白根授美・福田昌彦・宮本裕子・他:近畿大学眼科におけるコンタクトレンズによる細菌性角膜潰瘍.日コレ誌 43:57-60,2001
3)宮嶋聖也・松本光希・奥田聡哉・他:熊本大学における過去3年間の細菌性角膜潰瘍症例の検討.あたらしい眼科 17:390-394,2000
4)福田昌彦:コンタクトレンズ関連角膜感染症.あたらしい眼科 28:337-342,2011
5)糸井素純・植田喜一・岡野憲二・他:「日本コンタクトレンズ協議会コンタクトによる眼障害アンケート調査」について.日本の眼科 74:497-507,2003
6)日本眼科学会ホームページ・感染性角膜炎診療ガイドライン http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/kansen.jsp
7)松原倫子・小出良平・鬼頭昌大・他:コンタクトレンズ装用を発症誘因とする感染性角膜潰瘍の検討.日本職業災害医学会会誌 60:182-187,2012
8)松原倫子・小出良平・高橋春男:コンタクトレンズ装用を発症誘因とする感染性角膜潰瘍の検討.臨眼 67:469-473,2013
9)松本光希:細菌性角膜潰瘍(総説).臨眼 55:1939-1943,2001
10)広瀬浩士・柳田和夫・寺崎浩子:多剤耐性緑膿菌による角膜潰瘍の1例.日眼紀 40:20-25,1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?