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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻4号

2014年04月発行

書評

《眼科臨床エキスパート》糖尿病網膜症診療のすべて フリーアクセス

著者: 山本修一1

所属機関: 1千大・眼科学

ページ範囲:P.502 - P.502

文献概要

 糖尿病患者の増加と社会の急速な高齢化が相まって,糖尿病網膜症の患者は一向に減る気配がない。むしろ経済状況の悪化が原因なのか,網膜症はおろか糖尿病そのものも無治療で,失明寸前の症例(しかも比較的若年者)に遭遇することも少なくない。日本が世界に誇る高水準の医療に綻びが出始めているのでは,と不安すら覚えてしまう。

 糖尿病網膜症は眼科において一般的,そして極めて重要な疾患でありながら,なかなか優れた成書に恵まれなかった。黄斑症の治療や硝子体手術に特化した書籍は多いものの,「一冊丸ごと網膜症」は少なく,あっても共著のため読みづらいものであった。そのような教育上の問題が影響しているのか,紹介を受ける症例の中には,それまでの治療歴に首を傾げたくなるようなものが少なからず存在する。地域での講演会では糖尿病網膜症を頻繁に取り上げるようにしているし,内科と合同の勉強会も定期的に開催しているが,やはり単発の講演では「耳学問」に止まるものかもしれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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