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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻4号

2014年04月発行

文献概要

臨床報告

ラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩(ザラカム®配合点眼液)の使用実態下における安全性と有効性―特定使用成績調査中間解析結果報告

著者: 吉田愛1 森政美香1 板東説也1 渡邊俊哉1 小松原綾1 遠藤穣1

所属機関: 1ファイザー株式会社医薬開発部門ディベロップメントオペレーション統括部

ページ範囲:P.573 - P.580

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要約 背景:ザラカム®配合点眼液は,1mlあたりラタノプロスト50ngとチモロールマレイン酸塩6.83mg(チモロールとして5mg)を含み,緑内障と高眼圧症が適応である。目的:臨床的に用いられたザラカム®配合点眼液の安全性と有効性を検討した報告。対象と方法:契約が締結された116施設で,ザラカム®配合点眼液を投与した緑内障患者を対象とした。2年間の調査機関中に659例が登録されたうち534例について調査票が回収され,473例473眼を解析の対象とした。男性47.6%,女性52.4%で,平均年齢は67.4±12.6歳であった。473眼の内訳は,原発開放隅角緑内障46.1%,正常眼圧緑内障42.8%,原発閉塞隅角緑内障4.8%,続発緑内障3.5%,その他の緑内障2.9%である。結果:副作用は47例(9.9%)に生じ,眼刺激13例,点状角膜炎9例,角膜障害4例などであった。安全性には背景因子として眼合併症(p=0.045)と眼の既往歴(p=0.025)が有意に関係した。担当医が総合的に判定した有効率は,473例中400例(84.6%)であった。投与開始から52週までの眼圧と,緑内障の型についての相関は検討しなかった。結論:ザラカム®配合点眼液は,おおむね安全で有効である。

参考文献

1)Iwase A, Suzuki Y, Araie M et al:The prevalence of primary open-angle glaucoma in Japanese the Tajimi Study. Ophthalmology 111:1641-1648, 2004
2)厚生労働省大臣官房統計情報部:平成23年患者調査(傷病分類編).34,2011
3)日本緑内障学会:緑内障診療ガイドライン(第3版).31-32,2012
4)兵頭涼子・林 康人・鎌尾知行:緑内障点眼患者のアドヒアランスに影響を及ぼす因子.あたらしい眼科 29:993-997,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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