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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻6号

2014年06月発行

文献概要

特集 第67回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

春季カタルの臨床像の最近5年間における推移

著者: 小沢昌彦1 ジェーンファン1 内尾英一1

所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.799 - P.804

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要約 目的:免疫抑制薬が使用されるようになった過去5年間の春季カタルの臨床像の報告。対象と方法:2012年までの5年間に春季カタルと診断した64例を対象とした。男性53例,女性11例で,年齢は3~34歳,平均12歳であった。診療録の記述を検索した。結果:年齢は5~9歳,病型は眼瞼型,受診率は5~9月に多かった。アトピー性皮膚炎は45例(70%)にあった。検索した5年間の受診者と初診時の重症度は,減少する傾向にあり,女性の割合は増加した。ほぼ全例に免疫抑制点眼薬が用いられ,ステロイド薬の点眼は減少する傾向があった。結論:春季カタルの受診者数は過去5年間に減少し,軽症化する傾向があり,本症の発症原因が変化している可能性がある。

参考文献

1)Dumont FJ:FK506, an immunosuppressant targeting calcineurin function. Curr Med Chem 7:731-748, 2000
2)鳥山浩二・原 祐子・岡本茂樹・他:春季カタルに対する0.1%タクロリムス点眼液の使用成績.眼臨紀 6:707-711,2013.
3)佐々木郁惠・及川亜希・稲田紀子・他:輪部病変に対してシクロスポリン点眼液0.1%が有効であった春季カタルの3例.眼科 54:1057-1064,2012
4)能谷紘子・高村悦子・三宮 瞳・他:免疫抑制点眼薬使用中に発症した角膜ヘルペス.東京女子医科大学雑誌 82:244-248,2012
5)Ohji M, Kinoshita S, Ohmi E, Kuwayama Y et al:Marked intraocular pressure response to instillation of corticosteroids in children. Am J Ophthalmol 112:450-454, 1991
6)小沢昌彦・山口晃生・淵上あき・他:春季カタルに対するトリアムシノロンアセトニド眼瞼皮下注射の治療成績.臨眼 61:39-743,2007
7)Futamura M, Ohya Y, Akashi M et al:Age-related prevalence of allergic diseases in Tokyo schoolchildren. Allergol Int 60:509-515, 2011
8)Kusunoki T, Morimoto T, Nishikomori R et al:Changing prevalence and severity of childhood allergic diseases in Kyoto, Japan, from 1996 to 2006. Allergol Int 58:543-548, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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