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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻6号

2014年06月発行

文献概要

特集 第67回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

無症候性のBasedow病を合併した自己抗体陰性の眼筋型重症筋無力症の1例

著者: 山田麻里1 玉井一司1 永井博之1 紙本薫2

所属機関: 1名古屋市立東部医療センター眼科 2名古屋市立東部医療センター神経内科

ページ範囲:P.845 - P.847

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要約 目的:無症候性のBasedow病を合併した自己抗体陰性の眼筋型重症筋無力症の症例の報告。症例:45歳男性が両眼複視と左眼瞼下垂を主訴に受診した。所見:両眼とも矯正視力は1.2で左眼の眼瞼下垂と内転,下転障害を認めた。抗アセチルコリン受容体抗体は陰性で,その後,右眼瞼下垂と左眼球運動障害の変動がみられるようになった。テンシロンテストで陽性を示し,全身症状がみられなかったため,眼筋型重症筋無力症と診断した。繰り返し行った血液検査と甲状腺超音波検査で無症候のBasedow病の合併が判明した。結論:重症筋無力症では経過中にBasedow病などの自己免疫疾患を合併することがあり,繰り返し検査を行い早期発見に努める必要がある。

参考文献

1)Kanazawa M, Shimohata T, Tanaka K et al:Clinical features of patients with myasthenia gravis associated with autoimmune diseases. Eur J Neurol 14:1403-1404, 2007
2)Vincent A:Unravelling the pathogenesis of myasthenia gravis. Nat Rev Immunol 2:797-804, 2002
3)日本神経治療学会治療指針作成委員会,編:重症筋無力症の治療ガイドライン.神経治療 27:239-254,2010
4)三村 治:眼筋型重症筋無力症は眼科医こそが診療に当たるべきである! 臨眼 67:262-268,2013
5)Millikan GH, Haines SF:The thyroid gland in relation to neuromuscular disease. Arch Intern Med 92:5, 1953

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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