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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻7号

2014年07月発行

文献概要

特集 第67回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

IOL縫着術後にIOL摘出と再縫着を施行したMarfan症候群の2例

著者: 松尾優12 越山健1 山川良治2

所属機関: 1社会保険田川病院眼科 2久留米大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.993 - P.996

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要約 目的:眼内レンズ(IOL)の縫着後に,IOLの偏位と虹彩捕獲が生じ,IOLの摘出と再縫着を行ったMarfan症候群の2症例の報告。症例:1例は25歳女性,他の1例は41歳男性で,それぞれ18歳と19歳のときに大動脈基部置換術を受けた。第1例は20歳のときに毛様体扁平部経由での水晶体切除術を両眼に受け,その1年後にIOL縫着術を受けた。左眼には3か月後にIOL偏位と虹彩捕獲が生じ,その5年後に交換したIOLを縫着した。以後8年間の経過は良好である。第2例は,13年前に右眼,9年前に左眼に水晶体摘出とIOL縫着術を受けた。9か月前に鈍的外傷を契機として,左眼のIOL偏位と虹彩捕獲が生じたため,交換したIOLが縫着された。以後7か月間の経過は良好である。結論:Marfan症候群では,縫着したIOLの偏位に留意する必要がある。

参考文献

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2)柳沼重晴・中野敦雄・渡辺交世・他:Marfan症候群に伴う水晶体亜脱臼の手術成績.眼科手術 24:351-356,2011
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8)箔本潤子・南 政宏・福本雅格・他:IOL縫着術後の再発性虹彩捕獲の2例.眼科手術 23:439-442,2010
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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