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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻7号

2014年07月発行

文献概要

特集 第67回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

受傷後早期の自覚症状が軽微であった眼内金属異物の3例

著者: 井上浩太1 藤澤邦見1 南雅之1 嶋田摂也1 遠藤貴美1 長谷川裕基1

所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院眼科

ページ範囲:P.1009 - P.1012

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要約 目的:受傷後早期の自覚症状が軽微であった眼内金属異物の3症例の報告。症例:3症例はいずれも男性で,年齢はそれぞれ33歳,30歳,49歳であり,2例は大工,1例はとび職であった。3例とも作業中に受傷を自覚し,その当日または翌日に眼科を受診した。所見:初診時の矯正視力はいずれも1.2であり,1例には結膜充血,2例には角膜裂傷があり,CT検査で2例に硝子体異物,1例に虹彩異物があった。摘出された異物は,2例では金属片,1例では鉄釘であった。結論:穿孔性外傷では,受傷後早期の症状が軽微な場合があり,多角的な検査が望ましい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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