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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻7号

2014年07月発行

文献概要

特集 第67回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

涙管チューブ挿入術前後の涙液動態の変化

著者: 永岡卓1 堀裕一1 金谷芳明1 前野貴俊1

所属機関: 1東邦大学医療センター佐倉病院眼科

ページ範囲:P.1031 - P.1035

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要約 目的:涙管チューブ挿入術(SGI)前後による涙液動態についての報告。対象と方法:涙道閉塞症に対し,SGIを施行した22例30眼(平均69.7±5.6歳,男性9例,女性13例)を対象とした。術前,術後2か月(涙管チューブ留置),術後3か月(涙管チューブ抜去後)における,Schirmer値,涙液メニスカス高(TMH),涙液油層のGrade分類の結果について検討した。結果:TMHは術後2か月(p=0.021,paired-t),3か月(p=0.036,paired-t)ともに有意に改善し,涙液油層のGrade分類でも術後2か月(p=0.003,Wilcoxon-t),3か月(p=0.004,Wilcoxon-t)ともに有意に改善した。術前には正常範囲内とされるGrade 1,2の割合は24%であったが,術後2か月で48%,術後3か月で56%と増加した。結論:涙道閉塞症において涙液油層のGradeは高い傾向を示した。SGI後,TMHと涙液油層のGradeは有意に改善した。

参考文献

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3)横井則彦:涙液から見たオキュラーサーフェス.Fronti Dry Eye 7:154-159,2012
4)武久葉子:涙液油層の見方.あたらしい眼科 14:1605-1612,1997
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9)Yokoi N, Bron AJ, Tiffany JM et al:Relationship between tear volume and tear meniscus curvature. Arch Ophthalmol 122:1265-1269, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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