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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻8号

2014年08月発行

文献概要

特集 第67回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

ニフェジピン内服中に発症した渦巻き状角膜症の1例

著者: 上野智弘1 小沢昌彦1 内尾英一1

所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1149 - P.1153

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要約 背景:渦巻き状角膜症はアミオダロンの有名な副作用であるが,これまでにニフェジピン内服により同所見をきたした報告はない。目的:ニフェジピン内服中に発症した渦巻き状角膜症の1症例の報告。症例:46歳男性。3週間前から増悪する両眼の霧視と羞明を自覚し,近医を受診した。両眼の角膜上皮混濁を指摘され,ステロイド点眼薬を開始されたが改善せず,当科紹介となった。両眼角膜上皮に渦巻き状混濁を認め,高血圧に対して内服中であったニフェジピンを中止したところ,5か月後には症状および角膜混濁はほぼ消失した。結論:ニフェジピンはアミオダロンと同様,陽イオン性両親媒性薬物であるため,渦巻き状角膜症を発症することがありうる。

参考文献

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2)佐久間俊郎・中安清夫・金井 淳:アミオダロン投与中に見られた角膜症.日眼会誌 105:399-405,2001
3)Halliwell WH:Cationic amphiphilic drug-induced phospholipidosis. Toxicol Pathol 25:53-60, 1997
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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