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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻9号

2014年09月発行

文献概要

臨床報告

サルコイドーシスに合併した巨大虹彩結節の超音波生体顕微鏡像

著者: 高嶌祐布子1 杉本昌彦1 築留英之1 中世古幸成1 脇谷佳克2 宇治幸隆3 近藤峰生1

所属機関: 1三重大学大学院医学系研究科神経感覚医学講座眼科学教室 2わきたに眼科 3小山田記念温泉病院眼科

ページ範囲:P.1351 - P.1354

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要約 目的:全身サルコイドーシスに巨大虹彩結節が合併し,超音波生体顕微鏡でその経過を観察した報告。症例:33歳男性が右眼の霧視で受診した。矯正視力は左右眼とも1.2で,右眼に巨大な虹彩腫瘤と虹彩炎の所見があった。X線検査で肺門リンパ腺の腫脹があり,CTで縦隔などにリンパ腺腫大と,陰囊に腫瘤があった。生検でサルコイドーシスの診断が確定し,虹彩結節もこれによると推定された。ステロイド薬の点眼を行い,4か月後に虹彩結節は消退した。その3か月後に再発があったが,ステロイド薬の局所治療の強化で寛解した。結論:サルコイドーシスによる巨大虹彩結節の診断と治療効果の判定に,超音波生体顕微鏡が有用であった。

参考文献

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10)本村由香・安部ひろみ・木許賢一・他:巨大虹彩結節を呈したサルコイドーシスの1例.臨眼 60:1425-1428,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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