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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科68巻9号

2014年09月発行

文献概要

臨床報告

眼内レンズoptic capture固定法の術後長期の屈折度数変動について

著者: 武居敦英1 河野博之1 村上晶1

所属機関: 1順天堂大学大学院医学研究科眼科学

ページ範囲:P.1355 - P.1361

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要約 背景:眼内レンズを固定する方法として,その支持部を前囊の前に乗せ,光学部のみを囊内に固定するout-in-out法と,囊外固定法などがある。後者よりも前者で,術後の屈折がより安定するという見解がある。目的:眼内レンズ固定法の術後長期の屈折変動の報告。対象と方法:過去58か月間に白内障手術を行った症例のうち,眼内レンズをout-in-out法で固定した25眼と,囊外で固定した23眼を対象とした。それぞれ6~225週(中央値54週)と,8~212週(中央値94週)の経過を追った。術後早期の屈折を基準値とし,それから±0.50Dまたは±1.00Dを超えた時点を脱落とし,生存率曲線を比較した。同様な26眼と27眼で,SRK/T式による目標屈折度数を基準値とし,それから±0.50Dまたは±1.00Dを超えた時点を脱落とし,生存率曲線を比較した。結果:いずれの基準値に対しても,両群の生存率曲線の間に有意差はなかった。結論:眼内レンズをout-in-outまたは囊外で固定した群とで,術後の屈折に差がなかった。

参考文献

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7)山本真由:白内障手術後の屈折誤差の要因と対策.IOL & RS 20:329-332,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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