icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻10号

2015年10月発行

文献概要

今月の表紙

コロボーマに沈む眼内レンズ

著者: 田部井真記子1 厚東隆志1 稲谷大2

所属機関: 1杏林大学医学部付属病院アイセンター 2福井大学

ページ範囲:P.1448 - P.1448

文献購入ページに移動
 症例は79歳,男性。生来両眼のコロボーマのため弱視であったが,1週間前からの右眼のかすみを訴え当院紹介受診となった。家族歴に特記事項はなかった。初診時視力は右30cm/n. d.(矯正0.02),左5cm/n. d.(矯正15cm/n. d.),眼圧は右12mmHg,左13mmHgであった。25年前に両眼の白内障手術を他院で施行されており,右眼は眼内レンズ挿入眼,左眼は無水晶眼であったとのことだが,当院受診時右眼の眼内レンズは写真のごとく囊ごと眼底に落下していた。治療として硝子体手術および眼内レンズ摘出術を施行した。術中,周辺硝子体は正常の硝子体基底部から脈絡膜欠損部の後縁に連続して付着しており,あたかもそこが基底部であるかのようにshavingを行った。術後は合併症なく,視力右(0.02)と安定している。

 写真は初診時の右眼。撮影にはOptos社製200Txを使用した。巨大コロボーマのさらに下方にIOLが落下していたため,限界まで下方視させて撮影した。画角200°と広角に撮影できるOptosの特徴を生かし,また下方の虹彩に欠損があるため下方周辺部がより広角に撮影できたことでコロボーマに沈む眼内レンズを鮮明に捉えることができた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら