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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻10号

2015年10月発行

臨床報告

緑内障禁忌薬投与可否カードを用いた他科連携

著者: 永山幹夫1 永山順子1 東馬千佳1 馬場哲也2

所属機関: 1永山眼科クリニック 2白井病院

ページ範囲:P.1557 - P.1561

文献概要

要約 目的:瞳孔散大によって隅角閉塞増悪の危険がある症例(閉塞隅角群)に「投薬禁忌がある由を記載したカード」を,隅角閉塞の危険のない症例(開放隅角群)に「投薬禁忌がない由を記載したカード」を携行させ,他科受診の際に提示させる試みについての報告。対象と方法:閉塞隅角群37名,開放隅角群141名,計178名を対象とした。試用後,①緑内障の使用禁忌薬について知っていたか,②実際にカードを提示したか,③カードが役立ったか,について質問した。さらに,提示できなかった症例について,性別,年齢,緑内障病型,視野障害(MD値),点眼治療の有無,通院期間のうち関与する要因を検討した。結果:①事前に禁忌薬の知識があったのは52名29%,②実際に提示したのは117名66%,③役立ったと回答したのは99名56%であった。提示しなかった症例は,開放隅角群が閉塞隅角群に比べ有意に多かった(p<0.05)。結論:カード携行は患者の病識向上と他科への連携改善に有用であった。開放隅角群では利用率が低いため,注意が必要である。

参考文献

1)Grant WM:Ocular complications of drugs. Glaucoma. JAMA 207:2089-2091, 1969
2)小林 博:緑内障患者と糖尿病網膜症患者の手帳持参率の比較.臨眼 65:1237-1241,2011
3)小林 博:手帳持参による緑内障治療のアドヒアランスの変化.臨眼 66:1039-1044,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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