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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻3号

2015年03月発行

文献概要

特集 第68回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

霰粒腫によって自覚的視力障害が生じたLASIK既往眼の2例

著者: 渡辺このみ1 渡辺一彦1

所属機関: 1あさひ総合病院眼科

ページ範囲:P.305 - P.307

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要約 目的:過去にLASIKを受けた2例に,霰粒腫による視力障害が生じた報告。症例:症例はそれぞれ42歳と55歳の女性で,どちらも右眼の霧視で受診した。両症例とも10年以上前にLASIKを両眼に受けた。所見:右眼の裸眼視力はそれぞれ1.2と0.9であった。1例には角膜皺襞,他の1例には−3Dの正乱視がそれぞれ右眼にあった。両症例とも右の上眼瞼に霰粒腫があった。経結膜的に霰粒腫を摘出した。1例では2週後,他の1例では1週後に自覚的な霧視は消失した。結論:両症例とも,霰粒腫が角膜皺襞と角膜乱視の原因であり,霧視になったと推定される。LASIKの既往がある眼では,霰粒腫により角膜形状に影響が生じやすいと考えられる。

参考文献

1)宮本佳菜絵・稗田 牧:LASIK術後のepithelial ingrowth.あたらしい眼科 31:995-996,2014
2)脇舛耕一・稗田 牧:LASIKの適応と実際.眼科 55:1356-1362,2013
3)Park YM, Lee JS:The effects of chalazion excision on corneal surface. Cont Lens Anterior Eye 37:342-345, 2014
4)Randleman JB, Russell B, Ward MA et al:Risk factors and prognosis for corneal ectasia after LASIK. Ophthalmology 110:267-275, 2003
keratomileusis:a long-term study. Clin Ophthalmol 6:1801-1813, 2012
6)Cosar CB, Rapuano CJ, Cohen EJ et al:Chalazion as a cause of decreased vision after LASIK. Cornea 20:890-892, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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