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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻3号

2015年03月発行

臨床報告

多発性骨髄腫に合併した角膜混濁のレーザー生体共焦点顕微鏡による観察

著者: 門廣祐子1 近間泰一郎1 小林泰子2 戸田良太郎1 出口香穂里1 木内良明1

所属機関: 1広島大学大学院医歯薬保健学研究院視覚病態学 2川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科

ページ範囲:P.403 - P.407

文献概要

要約 目的:角膜混濁を伴った多発性骨髄腫の症例にみられた角膜混濁を,レーザー生体共焦点顕微鏡で観察した報告。症例:55歳男性。近医にて両眼ぶどう膜炎加療中に両眼の角膜変性症を疑われて当科を受診した。初診時にぶどう膜炎は軽快しており,自覚症状はなかった。細隙灯顕微鏡で両眼にびまん性角膜混濁がみられ,その混濁は角膜上皮から実質中層に散在していた。共焦点顕微鏡を用いた観察では,角膜全層にわたり高輝度な沈着物がみられた。特に角膜上皮層において細長い針状の結晶様沈着物の密度が高く,特徴的な所見を呈した。実質全層にかけて細胞の輝度が高く,深層に向かって沈着物が小さく変化していた。結論:共焦点顕微鏡を用い,角膜各層において沈着物の形態が異なることが観察できた。

参考文献

1)川村洋行・瀬尾孝寛・渡邊郁緒・他:角膜にびまん性結晶沈着を認めた多発性骨髄腫の1例.日眼会誌 92:1473-1478,1988
2)脇田まり子・金井 淳・中島 章・他:多発性骨髄腫に合併した角膜クリスタリン様沈着.日眼会誌 93:665-675,1989
3)佐々木秀憲・加藤卓次・村上 晶・他:角膜実質に混濁を呈したmonoclonal gammopathyの1症例.日眼会誌 110:307-311,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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