icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻4号

2015年04月発行

文献概要

特集 第68回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

硝子体注射後の水晶体後囊破損に対する硝子体手術併用水晶体再建術を施行した1例

著者: 安井絢子1 山本学1 芳田裕作1 岩見久司1 白木邦彦1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科視覚病態学

ページ範囲:P.457 - P.460

文献購入ページに移動
要約 目的:硝子体内注射後に後囊が大きく破損し,硝子体手術と水晶体再建術を行った症例の報告。症例:78歳女性の左眼に生じた加齢黄斑変性に対し,6年前から光線力学的療法,ベバシズマブの硝子体注射,ラニビズマブの硝子体注射が行われ,最近アフリベルセプトの硝子体注射が行われた。その翌日に視力が0.15に低下し,水晶体損傷が発見された。後囊下白内障と後囊破損があり,硝子体手術と水晶体再建術が実施された。連続円形前囊切開ののち,硝子体腔への灌流で後房圧を維持した。超音波乳化吸引術中に核落下はなかった。核周辺の物質が一部落下したが,硝子体切除の際に吸引除去できた。眼内レンズは囊外に固定した。術後0.2の視力が得られ,加齢黄斑変性の進行悪化はなく,10か月後の現在まで経過は良好である。結論:アフリベルセプトの硝子体注射後に生じた後囊破損に対し,後房圧の維持と慎重な術中操作で良好な結果が得られた。

参考文献

1)服部知明:抗VEGF薬硝子体内注射による眼合併症.あたらしい眼科 31:1003-1004,2004
2)小早川信一郎:後囊破損.眼科グラフィック 2:213-218,2013
3)森山 涼:後囊破損への対処法.眼科グラフィック 3:180-183,2014
4)石井 清:鈍的外傷による水晶体後囊破損.あたらしい眼科 29:1363-1364,2012
5)向野利一郎・畑 快右:注射.江口秀一郎(編):新ES Now 2 外来小手術—外眼部手術達人への道.108-113,メジカルビュー,東京,2010
6)小川智一郎:CCCとハイドロダイセクションにおけるトラブル対処法.眼科グラフィック 3:169-172,2014
7)Saeed MU, Prasad S:Management of cataract caused by inadvertent capsule penetration during intravitreal injection of ranibizumab. J Cataract Refract Surg 35:1857-1859, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら