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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻4号

2015年04月発行

特集 第68回日本臨床眼科学会講演集(2)

原著

トラベクトーム手術後に術前眼圧下降薬を継続した場合の眼圧経過

著者: 蒲山順吉1 植田俊彦2 平松類3 高橋春男4

所属機関: 1三友堂病院眼科 2二本松眼科病院 3東大宮総合病院眼科 4昭和大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.505 - P.507

文献概要

要約 目的:緑内障に対するトラベクロトーム手術後に,薬物治療を継続したときの眼圧の経過の報告。対象と方法:過去3年間にトラベクロトーム手術を行った緑内障34例46眼を対象とした。平均年齢は76歳で,42眼が原発開放隅角緑内障,4眼が落屑緑内障であった。41眼には白内障の同時手術を行った。平均9か月の術後経過を追った。術前と術後を通じ,同じ点眼加療を行った。結果:眼圧の平均値は,術前21.1±4.2mmHg,術後6か月14.9±3.8mmHgで,有意に下降した(p<0.001)。術後の前房出血が全例にあった。術後1週間以内に30mmHg以上への眼圧上昇が6眼にあり,いずれも炭酸脱水酵素阻害薬の内服で,2日後に眼圧が低下した。4眼で術後3か月以内に追加手術が行われた。結論:薬物治療を継続した状態で,緑内障に対して行われたトラベクロトーム手術の6か月後に,眼圧が有意に下降した。一過性の前房出血が46眼の全例にあり,6眼に一過性の眼圧上昇があった。

参考文献

1)Minckler D, Mosaed S, Dustin L et al:Trabectome(Trabeculectomy—Internal Approach):Additional Experience and Extended Follow-Up. Trans Am Ophthalmol 106:149-159, 2008
2)谷戸正樹:トラベクロトミー:基本術式と術中トラブル対処.あたらしい眼科 29:1483-1489,2012
3)Pantcheva MB, Kahook MY:Ab interno trabeculectomy. Middle East Afr J Ophthalmol 17:287-289, 2010
4)Jordan JF, Wecker T, van Oterendorp C et al:Trabectome surgery for primary and secondary open angle glaucomas. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 251:2753-2760, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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