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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻6号

2015年06月発行

文献概要

特集 第68回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

フルオレセイン蛍光眼底造影検査における副作用の検討

著者: 相庭伸哉1 嶋村慎太郎2 鈴木崇弘2 河合憲司2

所属機関: 1東海大学医学部付属病院診療技術部診療技術科 2東海大学医学部専門診療学系眼科

ページ範囲:P.837 - P.840

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要約 目的:フルオレセイン蛍光眼底造影の副作用の報告。対象:2013年12月までの30か月間に当院で蛍光眼底造影を行った1,178例を対象とした。結果:フルオレセインの副作用は36例(3.1%)にあり,嘔気が最も多く,28例にあった。24例で蛍光眼底造影開始から3分以内に副作用が発現した。副作用発症例の全身合併症は61.1%にあり,アナフィラキシーが生じた7症例では,その43%に全身合併症がなかった。結論:フルオレセイン静注による副作用は,全身合併症がなくてもショックに移行することがあり,慎重な全身管理が必要である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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