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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻6号

2015年06月発行

文献概要

特集 第68回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

両側肺門リンパ節腫脹(BHL)よりサルコイドーシスが疑われ,脳生検にて悪性リンパ腫の診断に至った1症例

著者: 森下苑子1 石原麻美1 澁谷悦子1 山中正二2 山根敬浩1 石戸みづほ1 脇屋匡樹1 木村育子1 國分沙帆1 中村聡1 水木信久1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学 2横浜市立大学医学部病理学

ページ範囲:P.879 - P.884

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要約 目的:ぶどう膜炎と両側肺門リンパ節腫脹(BHL),肺野病変,多発性脳病変からサルコイドーシス(サ症)が疑われた中枢神経原発悪性リンパ腫の1例。症例:69歳,男性。右前房内細胞と両びまん性硝子体混濁がみられ,BHLと縦隔リンパ節腫大,肺野病変よりサ症が疑われた。頭部MRIにて多発性脳病変がみられ,認知症状の進行により悪性リンパ腫が疑われた。経気管支肺生検では両者の鑑別はつかず,脳生検を施行し,中枢神経原発悪性リンパ腫と診断された。メトトレキサート大量療法により脳病変,眼病変ともに改善した。結論:ぶどう膜炎に肺門・縦隔のリンパ節腫脹,脳病変がみられた場合は,サ症と悪性リンパ腫を早急に鑑別する必要がある。

参考文献

1)吉田 実:眼内悪性リンパ腫に対する治療の現状.眼科 56:41-46,2014
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3)Birnbaum AD, Huang W, Sahin O et al:Ocular sarcoidosis misdiagnosed as primary intraocular lymphoma. Retina 30:310-316, 2010
4)田原佐知子・富岡洋海・多田公英・他:ぶどう膜炎と血清ACE高値からサルコイドーシスが疑われた末梢性T細胞リンパ腫の一剖検例.日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 24:77-82,2004
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7)作田 学:神経サルコイドーシス.日本臨床 52:1590-1594,1994
8)安田 肇:悪性リンパ腫の予後分類.Modern Physician 31:1471-1474,2011-12

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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