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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻7号

2015年07月発行

文献概要

特集 第68回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

トーリック眼内レンズの早期術後成績

著者: 古藪幸貴子1 松島博之1 永田万由美1 向井公一郎1 宮下博行1 後藤憲仁1 妹尾正1

所属機関: 1獨協医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.999 - P.1002

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要約 目的:乱視眼に対するトーリック眼内レンズ(IOL)挿入1か月後の結果の報告。対象と方法:白内障のある40例50眼を対象とした。同一術者が水晶体再建術を行い,TECNIS® Toric IOLを挿入した。術前の角膜乱視と,術後1か月までの屈折と視力を測定した。結果:術中または術後の合併症はなかった。logMARとしての矯正視力は,術前の平均0.34が,1か月後の平均−0.07に有意に改善した(p<0.01)。術1か月後の小数視力は,0.6以上が92%,0.8以上が76%であった。術前の角膜乱視は平均1.27±0.46Dで,1か月後の乱視は0.45±0.27Dであった。術前の直乱視は過矯正,倒乱視は低矯正になる傾向があった。結論:トーリックIOLの挿入により,乱視矯正効果と良好な術後裸眼視力が得られた。

参考文献

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2)石川 功・吉田紳一郎・目谷千聡・他:トーリック眼内レンズの乱視矯正効果と術後乱視誤差の検討.IOL & RS 25:583-543,2011
3)鈴木雅丈・武輪和男・雑喉正泰・他:トーリック眼内レンズの乱視改善効果と軸の誤差の検討.眼科手術 25:557-561,2012
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6)後藤憲仁・松島博之:トーリック眼内レンズの手術成績.眼科手術 24:286-290,2011
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8)Koch DD, Ali SF, Weikert AP et al:Contribution of posterior corneal astigmatism to total corneal astigmatism. J Cataract Refract Surg 38:2080-2087, 2012
9)平林一貴・保谷卓男・赤羽圭太・他:倒乱視白内障に対し過矯正Toric IOLを用いた乱視矯正の検討.臨眼 68:813-817,2014
10)小川智一郎・柴 琢也:現在使用可能なトーリック眼内レンズの仕組み,適応.眼科手術 24:272-276,2011
11)Sheppard AL, Wolffsohn JS, Bhatt U et al:Clinical outcomes after implantation of a new hydrophobic acrylic toric IOL during routine cataract surgery. J Cataract Refract Surg 39:41-47, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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