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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻7号

2015年07月発行

文献概要

特集 第68回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

小切開による眼内レンズ縫着術後成績の検討

著者: 西田奈央1 後藤憲仁1 松島博之1 青瀬雅資1 妹尾正1

所属機関: 1獨協医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1013 - P.1016

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要約 目的:眼内レンズ(IOL)縫着術の切開幅別術後成績の検討。対象と方法:IOL縫着術を施行した47例49眼。創口2.4mmの極小切開群(18眼),4.0mmの小切開群(14眼),6.0〜7.0mmの中切開群(17眼)の3群に分け,矯正視力,角膜内皮減少率,屈折誤差,乱視絶対量を比較した。結果:矯正視力は極小切開群0.94,小切開群0.91,中切開群0.70で良好であった。角膜内皮減少率は極小切開群4.5%,小切開群5.3%,中切開群6.1%であった。屈折誤差は3群ともに近視化していた。術後乱視絶対量は極小切開群で1.12D,小切開群で1.44D,中切開群で2.59Dであり,極小切開群は中切開群と比較し有意に低かった(p<0.01)。結論:IOL縫着術は良好な手術成績が得られ,切開幅が小さくなると術後乱視量が低下した。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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