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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻8号

2015年08月発行

文献概要

特集 第68回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

放射状角膜切開術後の白内障手術における眼内レンズ度数決定

著者: 森井香織1 三浦真二1 澤田憲治1 大塚齋史1 窪谷日奈子1 藤原りつ子1

所属機関: 1あさぎり病院眼科

ページ範囲:P.1207 - P.1211

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要約 目的:近視眼に対して放射状角膜切開術(RK)後の白内障手術における眼内レンズ(IOL)度数決定に際して,術前角膜屈折値および術後屈折誤差を,検討する。症例:両眼RK施行歴のある61歳女性。今回,右眼に白内障手術を施行。IOL度数決定には,眼軸長をIOLマスター®を用い,術前角膜屈折力はPentacam®を用いたTrue Net Power(TNP)法,計算式はSRK/T式を使用した。術後屈折度数誤差は術後等価球面度数と予測屈折度数の差とした。ほかの方法でも術後屈折誤差を推測した。結果:術後屈折誤差は,IOLマスター®が0.25D,ring 3法が−0.72D,TNP法が0.04D,Haigis-L式が−2.49Dであった。結論:RK術後の眼内レンズ度数決定は,TNP法とSRK/T式を用いることで,屈折誤差が減少した。

参考文献

1)藤本可芳子・西村哲哉・小林誉典・他:放射状角膜前面切開術後の眼球強度.あたらしい眼科 16:541-547,1999
2)西 智・上田哲生・緒方奈保子:高度近視の放射状角膜切開術後の白内障眼における白内障術後屈折誤差.IOL & RS 27:340-343,2013
3)魚里 博:屈折矯正手術後眼の眼内レンズ度数計算.あたらしい眼科 15:665-666,1998
4)西村麻理子・ビッセン宮島弘子・吉野真未・他:放射状角膜切開後の白内障に回折型多焦点眼内レンズを挿入した1例.あたらしい眼科 27:839-843,2010
5)Chen L, Mannis MJ, Salz JJ et al:Analysis of intraocular lens power calculation in post-radial keratotomy eyes. J Cataract Refract Surg 29:65-70, 2003
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7)林 研:特殊角膜における眼内レンズ度数決定 1.円錐角膜,角膜移植後.あたらしい眼科 30:593-599,2013
8)Haigis W:Intraocular lens calculation after refractive surgery for myopia:Haigis-L formula. J Cataract Refract Surg 34:1658-1663, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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