icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科69巻9号

2015年09月発行

文献概要

特集 第68回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

他覚的屈折度(等価球面度数)を40年以上追えた180眼の屈折度の変化

著者: 河鍋楠美1

所属機関: 1蕨眼科

ページ範囲:P.1389 - P.1393

文献購入ページに移動
要約 目的:他覚的屈折度の変化を180眼について40年以上追跡した結果の報告。対象と方法:他覚的屈折度の変化を180眼について検索した。初診時の年齢は,53眼が10歳未満,58眼が10歳以上20歳未満,14眼が30歳未満,40眼が40歳未満,15眼が50歳未満であった。全例について,初診から40年以上の屈折度の経過を追った。屈折の測定には初診時の年齢に応じて調節麻酔薬を点眼し,3種類の手動または自動屈折計を用い,等価球面度数として解析した。結果:180眼での40年間の屈折は,31眼(17%)で変化がなく,50眼(28%)で遠視が強くなり,99眼(55%)で近視が強くなった。このうち62眼では屈折が近視側から遠視側に変化し,この変化は35〜45歳の間で顕著であった。結論:加齢に伴う屈折の変化は,近視または遠視の進行のほかに,近視側から遠視側に進むことがあり,この傾向は40歳前後で顕著であった。

参考文献

1)河鍋楠美:他覚的屈折度の変化の推移を20年以上追った症例の年代別比較.眼臨紀 6:373-375,2013
2)河鍋楠美:1,885眼の他覚的屈折度(球面度・乱視度)の20年にわたる経年変化の年代別比較.臨眼 68:791-793,2014
3)河鍋楠美:他覚的屈折度を30年以上追えた571眼症例の屈折度の変化.臨眼 66:1053-1057,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?