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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科7巻1号

1953年01月発行

文献概要

臨床實驗

井上氏鉤の研究(第1篇)—井上氏鉤の視認距離

著者: 川田榮二1

所属機関: 1豐川市民病院

ページ範囲:P.20 - P.21

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緒言
 視力検査に使用される試視力表は正確で便利であることが必要である。文字を視標としたものは非常に便利であるが,個人的差異や變動の認められる文字があつたり又暗記され易いといふ不都合を有する。「ランドルト」氏環(以下「ラ」氏環と略稱す)は正確であるが文字程手輕には取扱へない不便を有する。然し視標としては「ラ」氏環の如く形が同じで唯大さのみを異にするものが理想に近いものと云うことが出來よう。本邦に於ては此の樣に簡單同形の視標に井上達二氏の鉤状試視力表がある。故小口教授は此の井上氏鉤を評して「Snellen氏鉤は初め我が邦に廣く用ひられたりしも中頃大いに虐待され僅かに井上氏が再興するに至れるものなり。予は始めより此の鉤を好み常に之と離るゝこと能はず,故に井上氏の論文出づるや大なる感喜を以て之を迎へたり」と記して居られる。此の井上氏鉤は視力に關する實驗には多くの研究者に利用されている。然し井上氏鉤そのものに就いては未だ充分に研究し盡されている.とは云えない現況であるので私は其性質を究め同時に此の視標を用いて視認と對比との關係を明らかにせんとして本研究を行つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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