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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科7巻11号

1953年11月発行

文献概要

特集 眼科臨床の進歩Ⅱ 網膜血管

腦血管硬化と眼

著者: 樋渡正五1

所属機関: 1日本大學眼科

ページ範囲:P.690 - P.700

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 腦の血硬管化と高血壓,ひいては動脈硬化と腦溢血,腦栓塞,腦血栓即ち腦卒中は古來多數の學者によつて極めて緊密な關係があるとされ,數多くの研究業績が發表されている。然るに吾人は直接に腦に分布する血管を觀察する手段を持たず,腦血管と全く同一性質の眼動脈がここに於て唯一の腦の窓として我々の眼前に現われる。而も網膜血管は吾人が直接精細に觀得る數少い循環系の1であることによつて,我々は腦血管硬化を網膜血管に於て殆んど直接的にと言つてもいい位の意味に於て觀察し得ると考えて誤りはないであろう。この意味に於て私は表題に掲げた「腦血管硬化と眼」に就いて,特に眼内の網膜血管との關係に就いて述べ,更に他に少しく言及したいと思うものである。
 洗ず腦の血液循環系に就いては,腦隨はその前部にあつては内頸動脈によつて,後部に於ては椎骨動脈によつて血液の供給を受けている(第1圖)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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