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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科7巻12号

1953年11月発行

文献概要

臨床實驗

縮瞳藥の眼壓下降作用に及ぼすルチンの影響—緑内障眼壓に及ぼす臨床實驗的研究

著者: 吉岡久春1

所属機関: 1長崎大學眼科

ページ範囲:P.965 - P.968

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 フラボン屬に屬するある種のGlucosidはSze-nt-Gyorgi及び其の協同者が最初に發見したもので,彼等はレモンより抽出して,之れにCitrinと命名した。Citrinは其の後の研究によれば,ビタミンPと同一物である事がわかり,最近は蕎麦から得た同一物ルチンなる物質もある。之等のものは,毛細血管の透過性及び脆弱性に一定の影響を與えるものとして現在盛んに用いられている。
 此のルチンは1944年ペンシルバニア大學のGri-ffith等に依り始めて臨床的に應用され,それが高血壓症患者の毛細血管脆弱性を回復させる事を發表し,其の後多くの人により追試研究され,毛細血管脆弱に基く諸疾患の治療及び豫防に賞用されている。眼科的には,網膜出血,若年性反覆網膜硝子體出血,脈絡膜出血,鞏膜炎等に應用されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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